因果推論What If Chapter 1 メモ

因果効果の評価

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(i)差/ (ii)比率/ (iii)オッズ比

NNT(number need to treat)

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Y = 1を1減らすために必要な(a = 1)の数
ex) 死亡数を1減らすために必要な臓器移植の件数

解釈:

分母:因果効果の指標(差):

→ 臓器移植によって死亡例が減る→(-)の値が大きくなる
NNT:臓器移植の効果が大きい(因果効果の(-)の値が大きい)→小さくなる
→ 臓器移植をして死亡しない割合が高くなる

 

SUTVA(stable-unit-treatment-value assumption)

Y, Aを決める基準

  • ユニット間に相互作用がない

 ex) 感染症で他の人に感染させる,

    臓器移植で提供される臓器の個数に限りがある

 

  • 介入方法が複数存在しない

    ex) 介入群の中で手術の手法の違い

    手術環境の違い

 

random error

  • Sampling variability

 母集団からのサンプリングは、母集団の特徴を完全には捉えられない

 

  • 反事実の曖昧さ

 様々な方法で反事実を推定しても、真実はわからない

 (現実世界では、介入あり/なしのどちらかしか観測できないため)

 

Technical Point 1.2の不明点

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わからん

現時点での解釈:反事実の確率が分かっても、現実にそうなるかはわからない。(0.5の確率で表になるコインを10回振って、現実では表に3回しかならないこともある、みたいな)

Causation versus association

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因果と関連の違い

(解釈:因果推論とt-testの違い)

関連の評価

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(i) 関連の差/ (ii) 比率/ (iii) オッズ比

因果効果の数式との違い:

関連の数式は条件付き確率 → 現実に起こった事象のみで考える


英語

1. admittedly
2. pretentious
3. dichotomous
4. potential outcomes
5. counterfactual outcomes
6. equivalent
7. irrelevance
8. conclude
9. deterministic
10. stochastic
11. susceptible
12. Quantum mechanics
13. inherently nondeterministic
14. nondeterministic
15. counterfactuals
16. confidence intervals
17. substantive

 

1.確かに
2.気取らない
3.二分
4.潜在的な結果
5.反事実的結果
6.同等
7.無関係
8.結論
9.決定論
10.確率論的
11.影響を受けやすいです
12.量子力学
13.本質的に非決定論
14.非決定論
15.反事実
16.信頼区間
17.実質的

 

 

医療費抑制のための医療サービス

医療費抑制のための医療サービスの分類


  • Cost-saving:医療費抑制効果あり + 健康増進
  • Cost-effective:医療費増加 + 健康増進(医療費増加に見合う改善)
  • Cost-ineffective:

    1. 医療費増加 + 健康状態悪化

    2. 医療費増加 + 健康増進(医療費増加に見合わない改善)

 

 

  • 医療費抑制効果はCost-savingなものだけ
  • 予防医療と治療においてcost-savingであったものはそれぞれ約20%

 

上記の分類の具体例

cost-savingな予防・治療は?

<予防>

・幼児へのB型インフルエンザの予防接種

・60~64歳の男性を対象とした大腸がんに対する1回限りの大腸内視鏡検査の実施 

<治療>

アルツハイマー認知症患者に対する認知行動療法による家族介入 

・重度の難聴児への人工内耳の埋め込み 

 

cost-effectiveな予防・治療は?

<予防>

・高強度の喫煙再発防止プログラム(低強度のプログラムと比較)

・65歳のすべての人に糖尿病のスクリーニングを行う(65歳の高血圧の人に糖尿病のスクリーニングを行うのと比較)

<治療>

原発性硬化性胆管炎患者に対する肝移植の実施

・適切な患者に除細動器を装着(医学的管理のみの場合と比較して )

 

参考

予防医療のうち医療費抑制に有効なのは約2割 – 医療政策学×医療経済学

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmp0708558

https://www.nejm.org/doi/suppl/10.1056/NEJMp0708558/suppl_file/nejm_cohen_661sa1.pdf

費用効果分析

2つの手法を費用と効果によって求める方法

費用効果分析(Cost Effectiveness Analysis; CEA)

・疾患や治療法に応じて臨床的な指標を用いる

           (例: 生存年, 血圧などの検査値,QALYなど)

CEA = 費用/ 効果

QALY: 生存年数をQOLで重み付けしたもの。QOLは0~1(完全な健康)で表す。

 

増分費用効果比(Incremental cost-effectiveness ratio; ICER)

・2つのオプション(例;既存技術と新技術)を費用効果比で比較する

費用効果比:費用/ 効果

→(1単位分の効果を得るために必要な費用)

 

ICER:費用(O)-費用(A)/ 効果(O)-効果(A)

既存技術(O), 新技術(N)

→ 増加した効果を得るために必要な費用(採用されるかどうかの明確な基準はない)

 

 

 

論文要約(Digital technology and COVID-19)

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Digital technology and COVID-19

 

※ 1年以上前の論文です。

 

コロナを収束させるためにデジタル技術を活用しようという内容の論文です。

この論文はデータを収集して結果を出すものではなく、著者の意見を述べているもの(comment)です。

デジタル活用の詳細はありませんが、どの技術がどのように利用可能か網羅的に書かれています。

内容

コロナを収束させるためには従来の公衆衛生の手法では難しいため、デジタル技術公衆衛生に活用する必要がある。

デジタル技術とは

→ IoT, ビッグデータ, AI, ブロックチェーン

公衆衛生戦略

以下の2つ

① 個人に対する対応:コロナ患者のモニタリング、監視、発症の検知、発症予防

② コロナの間接的な影響を防ぐ:医療崩壊など

 

① コロナ患者のモニタリング、監視、発症の検知、発症予防に対するデジタル技術

○ IoT:コロナの情報をリアルタイムで捉えることができる

関連するサイト

 

gisanddata.maps.arcgis.com

 

www.worldometers.info

 

ビッグデータの収集

モデリング研究→コロナの状況把握と予測することができる

 

 データベース例

航空データ:the Official Aviation Guide

位置情報:the location-based services of the Tencent (Shenzhen, China)

など

 

○  AI/ディープラーニング

コロナの検知・診断:正確低コストに可能→ 検査にお金がかかる

重症度分類

新薬の開発

 

○ その他

ソーシャルメディアプラットフォーム(What's upやTwitterなど)

公衆衛生教育やコミュニケーションに活用

→ 正しい情報をリアルタイムで伝える(フェイクニュースを防ぐ)

 

・サーモグラフィーによる発熱検知(顔)

 

 

 

医療崩壊を防ぐためのデジタル技術活用

 

対処法:医療サービスの休止 or 減少

= 手術の延期/ 予約の延期

→ これらは6ヶ月しかもたない

 

デジタル活用による解決

 

○ オンラインでのコミュニケーション

オンライン診療(医療画像データを利用することも可能)

リモート会議の促進(医療機関の研究や教育のため)

 

○ AIを利用した重症度分類システムの利用

→ 医療従事者の負荷を軽減する

 

例1)チャットボットによる問診

→ 初期症状の発見を助ける

→ 手洗いなど感染予防の教育をする

→ 症状が悪化を検知し、医療機関に通知

例2)スマホや携帯を利用した患者データの収集

→ 不必要な医療機関の受診を避けることができる

 

ブロックチェーンを利用した薬剤の支給(玄関先まで届ける)

病院側は正確なトラッキングにより、着実に配達可能

 

まとめ

・従来の公衆衛生の手法ではコロナを収束させることが難しいため、デジタル技術の活用が必要

・コロナを収束させるために利用されたテクノロジーはコロナ後にも残る可能性がある。

・コロナをきっかけにデジタル技術の活用を促進させることができる